当初、新宿御苑のそのスポーツクラブには、150名くらいの会員さんがいました。しかし、物件だけは継承するものの、運営は引継ぎません。なので、その当時あったクラブは一度閉鎖です。フィットネスクラブの居抜き物件と言ってもいいでしょう。
私もそのスポーツクラブを見学に行きましたが、20時くらいのピークタイムでも館内には5名くらいしか会員さんがいませんでした。古いマシーン(壊れているものもありました)に、小さすぎるスタジオ。そもそも、クラブの大きさが100坪ちょっとしかない広さでマシーン、フリーウエイト、スタジオが詰め込んであって、全部が古い。時代に置いてかれていたようなクラブでした。
私は最初、ディレクターの立場でこの場所を、どういうフィットネスクラブにするかを、図面に描いて提案をしました。マシーン、ウエイトゾーンは無し。コアビティースタジオのみ。ただ、形の関係上、小部屋のパーソナルトレーニングルームも作りました。これは、トレーナーの採用戦略でもありました。トレーナーは、グループトレーニンングだけのクラブには中々応募してきてくれません。都心のパーソナルスタジオを備えたクラブには応募が来るようでした。これで、グループトレーニング指導とパーソナルトレーニング指導があるのを魅力に感じてくれます。これまであった新宿御苑のクラブとは、全くスタイルの違うフィットネスクラブを提案しました。
プログラムもヨガを無くしトレーニング系のみで
成果・効果を出すということにこだわった代表は、「このスタジオ型クラブをトレーニングだけでいく!」と決めてくれました。ここまでのスタジオ型に導入していたCOREVITYは、50分の間でしっかりと追い込むことができていたからです。現に私も、この2年間でここまで自体重(TRXやViPRも使っていたが)で筋肉を追い込めるぐらいやってきたことはありませんでした。おかげで、今更ながら、自分のトレーニングも上手くなっていっていきました。ボイディーコントロール、マインドマッスルコントロールが上手くなれば、自体重トレーニングで効かせるキツイトレーニングができる。なので、COREVITYは、ちゃんとキツかったので効果が出せます。
効果・成果提供型にするが故に、スタジオ集客=「ヨガ」や「ピラティス」という、とりあえず名前で集客のできるプログラムを入れません。あくまで「キツく感じる、効果実感型」トレーニングスタジオでいく。そのことは、弊社におけるTAIKANZブランドも押し上げていく格好となりました。
なぜ効果成果を出すフィットネス クラブにこだわったか
フィットネスクラブにおいての「トレーニング」とは、体を鍛えるためのウエイトマシーンや、フリーウエイトを使ったトレーニングを思い浮かべます。当時の会社の総合型フィットネスクラブでは、会員をやめてしまっていた方、つまり退会者という方達の統計をとると、その多くがマシーン利用を目的として入会された方が退会していっていました。当時、会社の代表は「効果や成果がわからないからやめてしまうんだ、続かないんだ」と分析していました。あと、よく言っていたのは、「クラブに行ってお客さんを見ていても重りのプレートを2−3枚しかつけていない。あれでは筋肉に効かないし、効果が出ない」と。
確かにそうで、当時のサービスとして展開していた、「入会月には、無料で5回つきっきりでトレーニング指導」といことをやっていて、それをやっている時は来館されますが、その期間が終わり、1人にされると約3ヶ月くらいで未来館になり、6ヶ月くらいで退会してしまう方が多かったのです。たった5回の指導では、ウエイトマシーンの指導をしても、その方は1人になった時に自分を追い込むことはできない。ましてや使っている筋肉だって、どこなんだかわからなく、効果もわからずに、5回を終えてしまう方も多いかもしれないのです。(その後、有料のパーソナルトレーニングに行ってもらう狙いもありますが)なので、その後、自分でしっかり負荷をかけていく方法が分かる方は、ごく稀です。ですので、ほとんどの方に見受けられていたのは、負荷の掛け方がわからず、フィットネスクラブによく見られる、「重りのプレートの印(例えば女性は赤、男性は青)」にピンを指したまま数ヶ月トレーニングを続けている状態です。レッグプレスの足のトレーニングに至っては15kg(プレート3枚)くらいでやりっぱなしですし、セットや回数だってクラブスタッフで統一した回数やセットの2setくらいずつでしかやらないので、効くはずがない。(昨今はwebや書籍、YouTubeなどで自分で学びにいく方法が増えているので、自分で習得し、教わらなくてもマシーンジムでトレーニングできる時代です。ただ、そこまでの気持ちを持って入会する方は少数の方です。)
結局、トレーニングはきついもの。体を強くしていくには負荷をかけなければいけないもの。それが原則だから、効果を出すためには、しっかり負荷をかけなければなりません。
ルーの原則
生理学における基本法則。現代のスポーツや体育のトレーニングにおいてもこの考え方が用いられている。専門的に言うと、
- 活動性肥大の原則
- 不活動性萎縮の法則
- 長期にわたる機能向上制限による器官の特殊な活動能力減退の法則
- 合目的的構造の機能的自己形成の原理
簡潔に言えば、身体(筋肉)の機能は適度に使うと発達し、使わなければ萎縮(退化)し、過度に使えば障害を起こすというものである。
こうして身体への効果提供型・実感型のTAIKANZ新宿御苑が作られていくことになりました。